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フォトエッセイコンテスト 第3回 「わが家のお仏壇物語」入選作品

佳作 「サーブの仏壇」 永坂宮子(千葉県・53歳)

佳作 永坂

台所のワゴンテーブルがサーブの仏壇になって早や5年となる。
 調理台として、つまみ食いテーブルとして、時にはちょっとした物置として、日常のワゴンテーブルは忙しい。
 でも、年一度だけ、このテーブルは厳かな時を過ごす。
 1月19日、今年もその日がやって来た。テーブルの扉が朝からそっと開かれる。
 「ウオン。」
 変わらぬ声が聴こえ、時がいっきに遡る。
 初めてやって来たクリスマスの日、おびえて震える体をみんなでそっと抱いてあげた。
 母犬と離れた淋しさから鳴く姿に、しつけはどうでもよくなり、布団に入れて寝たものだった。
 思春期の息子はサーブには秘密を打ち明け、語りあかしていた。
 家族を繋ぎとめた存在に、旅行も犬の行けるところ、外出も散歩の時間に合わせて、雨の日も風の日も一日4回の散歩は欠かさずと、制約の多い日々も苦にならず、むしろこちらが生かされた日々、あっという間の8年だった。
 サーブは小さな小さな骨となった。さびしがり屋のサーブ、とても置いては来れずに持ち帰った。
 ワゴンテーブルの仏壇は、冷蔵庫を覗く時、小腹が減った時、食事の準備や片付け時、誰もが目にして気にかける。
 「楽しかった日々をありがとう。」
 殺伐と過ぎゆく日常をほんの少し止めてくれる自慢の場所の自慢の仏壇である。

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