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フォトエッセイコンテスト 第5回 「わが家のお仏壇物語」入選作品

佳作 「お仏壇の思い出  私の生きる力」 星 伸也(栃木県・男性・60歳)

佳作 星 伸也

父が他界し初七日が過ぎたころ・・?
 父が何時もの様に団体旅行から帰りバスが我家の入口に止まり父が下りてきました。玄関に入り「帰ったよ、お世話様」と言いながら何時もの様に居間の父の席に座りました。「今回は、お前には色々と手数をかけさせたな、ありがとう。お前が、いい戒名を頂いてくれたお陰で今回は、何処に行っても『良道(父の名前)さん、お待ちしておりましたどうぞ此方においで下さい』と他の方々が入ることが出来ないようなところまで案内されてお参りが出来た。本当に貴重な経験をさせてもらい好かった。お前には今までおれの為に随分と我慢させ不自由な思いをさせたな、お前には、前から言っていたが・・」他界した筈の父が何故ここにいるの?
 ここで私は夢だと気がつきましたが、まだ眼は覚めていませんでした。父が色々と言い終わると、居間の片隅にある御仏壇の前に行き、戒名の書いてある位牌に、スッーと入ったような処で、私は眼が覚め夢だったことが解りました。世間では、亡くなった人が枕元に立つと言われているが?
 想えば、父は常に、「人並でいいじゃないか、世間様には迷惑はかけるな」と言い、「頑張れよ」と一言も言わなかった。でも朝早くから夜になっても働いていた。何がおもしろくて、金にもならない仕事をしているのか?そのような姿を見て育ったのだから、父が言ったことに対して常に楯ついていたけど、私の先々の事を常に心配しながら、アドバイスしてくれた父、やっぱり親子なのだろう、父が他界して20年近くなるけど、私も職種こそ違うも、同じような事をして人生を歩んでいる。
 世間では、「人は死ぬまで勉強だ、修業だ」と言うけれど、死んでからも、こうして私の元に現れ、アドバイスしてくれた父。今私は、父の生き方に追いつこうと『人並』を目指して生きている。

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