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フォトエッセイコンテスト 第6回 「わが家のお仏壇物語」入選作品

メイクリーン賞 「小さな親孝行」 高野 憲子(愛知県・53歳)

我が家には立派なお仏壇があります。私が買いました。

社宅に住んでいた子供の頃、タンスの上に小さなお仏壇が置いてありました。三男の父が九州に帰省した折、私の祖父である重太郎さんの位牌を持ち帰った時に両親が購入した団地サイズのかわいいお仏壇でした。

父が定年を迎え、社宅を出ないといけなくなり、今住んでいる家を建てました。母が長い間、待ち続けた念願の一戸建でした。間取りや設計は母の希望通り。床の間の隣に仏間も造りました。入居した当初に仏間の扉を開くと中には、黒い布で覆われたダンボール箱の上に小さなお仏壇が置いてありました。社宅から持ってきたお仏壇です。

まもなく母は難病と診断され、治療法がないのなら我が家で最後を終えたいと言って、自宅で亡くなりました。葬儀屋さんにきてもらい、葬式も家でやりました。

そして、迎えた母の一周忌。私は思い切って新しいお仏壇を買いました。毎日、きちんとおまいりしています。父方のご先祖様、母方のご先祖様、そして母に「ありがとうございます」と毎日手を合わせています。

法事の前日、仏壇屋さんにお掃除にきていただいたことがあります。お仏壇が汚れているのを気にしていた私に、「よくおまいりしている証拠。気にしなさんな」と言われました。友人の中には一週間に一回くらいしか、お仏壇を開けないという人もいます。造花を供えている方もいます。私はせっかく立派なお仏壇があるのだから、できるだけきちんとおまいりしたいと思って、そうしています。

毎日お仏壇の前に座り、手を合わせるとき、ご先祖様にいつも守られているような気持ちになり、心が落ち着きます。いいお仏壇にめぐりあえて、本当によかったと思っています。

メイクリーン賞 高野 憲子

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