| 今秋、京都で伝産指定の仏壇仏具の展示会である全仏展(全国伝統的工芸品仏壇仏具展)が開催されるが、全仏展開催は京都開催以降の目処は立っていないという。 全仏展は伝統的工芸品に指定される仏壇仏具の振興を目的として開催されてきた。鹿児島川辺の職人の中には「伝産展を通じて技術やデザインのことを随分と学んできた」と語る通り、職人の技術レベルの向上には大きく貢献してきたと言える。 全仏展における産地ごとの出品能力はここ数回の開催で大きな格差が出ていた。例えば卸産地として機能する鹿児島や広島、彦根といった産地の出品本数は多く、一方でほとんど出品しないという産地もあった。今回の京都展の内容はどのようになるだろうか。 伝統的な素材と技術により作られる伝産仏壇は、いわば仏壇の頂点に位置している。しかし、製造力は以前に比較すると格段に落ちた。なぜ製造力が落ちたのか。その最大の理由は価格競争力だ。伝産仏壇と雖も、値札の付く製品であり、作家の芸術作品ではない。値札が付く以上、類似製品との価格競合に常に曝される。 類似製品と書いたが、全体としての形が似ており、産地の名前を冠した「○○型仏壇」という名称の仏壇が市場の大部分を占め、産地本来の製品を見ることは希になった。産地の小売店がより安価な「○○型仏壇」を結局は主力製品として販売するようになった。 もちろん、展示製品の大半が地元の職人が製造した仏壇という店もあるだろうが、本来製品と類似製品の区別はあまり行われてこなかった。伝産品を販売する時には「伝産品」として販売するだろうが、他産地で作られた仏壇を販売する時、「鹿児島で作られた」「秋田で作られた」「中国で作られた」ということがどれだけ説明されてきただろうか。消費者の中には地元で作られた仏壇と思いこみ購入された方も多いことだろう。 伝産仏壇を将来に伝えてゆくためには、まず職人に仕事を出すこと、仕上がってきた製品を販売することが何よりも大切だ。 製品が良いのに売れないのであれば、売れない理由は価格が高いことにある。もしくはその高さを説明できる能力に欠けるか、客筋を持たないかによる。 職人の側からみれば、お客様に直接販売することで利益を確保しながら卸もするという業態が最も分かりやすい。 小売店は海外製品で儲けた分を伝産仏壇に還流させるという発想も必要だ。 金仏壇市場は転換期にある。十年前まで全仏展を支えていたのは、大きな製造能力のある卸メーカーの力であり、伝産仏壇を次々に売る小売店(それも大型)があったからだ。しかし、その時代は遠く去ってしまった。 伝産仏壇は文化であり、文化の維持にはコストがかかるということも再認識すべきだろう。 小さな職人の店が、コツコツと優れた仏壇を作り、お客様に丹念に説明しながら仏壇を販売してゆく。そんな原点に戻った製造販売の中に伝産仏壇の将来がある。 仏壇評論家・住田孝太郎 (2007年6月) |
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