| 仏壇市場の不振がこの一年間言われ続けてきた。不振の理由に関しては様々に言われているが、何点かその理由に関して考えてみたい。 まずは消費者の仏壇離れという点が考えられる。仏壇を必要としない人が増えているということが即ち仏壇離れ、ということになるが、この点に関しては「何故日本人が仏壇を祀ってきたのか」という視点からの逆算が必要だ。仏壇を祀ってきたのは、信仰だけではなく、歴史的・社会的な背景が大きく存在していたということを忘れてはならない。 少なくとも江戸時代には仏壇を祭祀することが社会的な強制力であり、そうした雰囲気を戦前世代までは持ち続けてきた。今年は団塊の世代が大量に退職する年として注目されたが、少なくともこれからのお客様の多くは、仏壇祭祀を社会的習慣と感じない戦後世代が主体となる。つまり、仏壇祭祀を「当たり前のこと」として感じられない世代が増え、その予兆が今年の仏壇市場不振として出現したのかもしれない。 仏壇離れと同時に考えるべき点が「仏壇店離れ」ということだ。仏壇は欲しいが、仏壇店に足を運ぶことを億劫に感じる人が増えたのではないだろうか。その根底にあるのは、仏壇店に対しての不信感だ。半値セールや九割引といったチラシ、産地や品質の内容が全く見えない販売方法は、お客様の仏壇店に対しての不信感を堆積させてきたのではないだろうか。 需給に関して言えば、市場在庫は相当膨らんでいるはずだ。その原因は海外からの輸入仏壇の拡大にある。通関統計によれば二〇〇二年には二十二万七千本であった仏壇輸入本数は昨年二〇〇六年には三十万四千本までに膨らんだ。特に中国はこの間、十五万五千本から二十三万一千本に輸入本数が拡大。中国の場合は、半製品や彫刻・宮殿などの部材もカウントされている可能性が高く、実数を反映しているとは思えないが、増加した輸入本数は中国からの出荷本数の拡大であるということがよく分かる。 増加した輸入仏壇は、新たな仏壇売場を求め、葬儀店や墓石店、ギフト店などに販路を拡大することで吸収されてきたが、その吸収力は限界に達した。今年は九月までの統計によれば、中国からの輸入本数は三万本減少しており、生産調整が行われていることが分かるが、市場の在庫調整が一巡したところで、景気は回復基調になるだろう。 また、供給過剰なのは仏壇だけではなく、売り場面積も供給過剰であり、店舗閉鎖や廃業などによる売り場面積調整がこれから加速する。それは大型店と小型店の格差が付くということではない。店の大小に拘わらず規模に応じた販売力のある店と販売力のない店との格差が付くということだ。 産地や品質表示の問題への真剣な取り組みも必要となるだろう。今年は品質や賞味期限偽装が社会問題となったが、決して他人事ではない。お客様の仏壇店離れは表示が曖昧な業界体質とは無関係ではない。 仏壇評論家・住田孝太郎 (2007年11月) |
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