お墓を建てる時のお役立ち知識

質問1 いつお墓を建てるのか

 お墓を建立する時期にはいろいろな説があるが、 一般的には一周忌までをめどにするのが多いようだ。お墓の建立は早いにこしたことはないが、忌み明け、三回忌、七回忌まえの彼岸やお盆などがよいであろう。建立されたら御住職にお願いし納骨・開眼供養を行う。御住職・管理者・石材店へのお礼をする。また、生前にお墓を準備しておくのも、生きる励みになるのでは。
 墓地には「公営」「民営」「寺院」の三種類がある。宗派・交通の便・立地・環境・設備・価格・管理条件・使用規定などよく考えて決めたい。また墓地の見学会などに参加することをお薦めする。寺院墓地の場合には檀家になることが条件付けられる場合と、宗派を問わない場合とがある。実際のお参りのことを考えれば、なるべく近い場所がよい。
質問3 指定業者からしか購入できない?
 気に入った墓地を見つけた後、墓石を購入することになるが、この際に指定業者からしか購入できない場合がある。こうした場合、その指定業者から購入するしかない、というのが現実だ。そうした場合、価格面などで不安な場合は、周辺の墓地・霊園などの価格などと比較してみるようにする。
質問4 永代使用料と管理費
 永代使用料とは墓地使用料のことであり、広さ・地域などによって価格も異なる。土地(墓地)の売買ではなく、永代使用権を取得することである。永代使用権の契約内容によっては、一定期間以上更地のままであった場合、契約が破棄されることもあるので注意が必要だ。すぐ建てる必要がない時には契約内容をよく確認しておくことだ。また管理費については、共有部分の水回り・通路・休憩所などの維持のためのもので年に一度請求がある。
質問5 墓石と外柵
 墓地購入にあっては、墓石本体に加えて、墓地を囲む外柵が必要となります。また、墓誌や燈籠・卒塔婆立てやアルミや陶器で作られた花立・蝋燭立てなどの備品も必要となる。見積もりにあたっては、何が含まれているのかということをしっかりと確認することが必要である。
質問6 墓石と施工の見積もり
 墓地購入にあって最も気になるのは「価格」だ。墓地・墓石を購入するにあたっては必ず見積もりを取るようにする。見積もりは「永代供養料」「解体工事」「基礎工事」「墓石工事」「外柵工事」「据付工事」「文字彫手間」などによって構成される。
質問7 カロートって何?
 見積もりの中に「カロート」という項目が立てられていることがあるが、カロートとは納棺室のこと。漢字では「屍櫃(からうと)」と書き、平安時代から使われている言葉である。現在では骨壺やお骨を入れる場所のことを指す。
質問8 工事の内容
 基礎工事は墓地を支える土台作りを指す。墓石は重量があるために、土台作りは重要であり、この土台作りによって墓石が傾かないようにする。据付工事は外柵・墓石の据付工事を指すが、一般的には人件費と機会損料(使用料)から構成される。業者や地域によって価格差が出る部分でもある。
質問9 石の価格は30センチ四方が基準
 墓石の価格単位は30センチ四方を基準とする。30センチ四方を「1さい」と呼び、墓石本体で「何さい」、外柵で「何さい」必要になると設計し、そこから価格を算出します。価格は石の種類によって違うため、業者には必ずどれだけの「さい」数が必要かということを確認し、そこから石による価格差を算出するようにする。
質問10 材料としての墓石の価格差
 石の価格差は国内で産出された石であるか、海外で産出された石かで異なる。現在では中国などの海外で産出される石材が大半であり、国内の有名石材と似通った名称を付ける石材もある。また、墓石として加工する時の手間賃、すなわち凝った墓石であればあるほど価格が高くなる。
質問11 お墓を建てたいが資金が足りない
 身内に仏様が出て、急いでお墓を建立しようとしても、かなりの費用が掛かる。無理に借金をしてまでして建立せずに、こうした際には資金が許す範囲で段階的にしてはどうだろう。まず土地を購入し境界石をつくる、次ぎに木塔を建てる、最後に墓石と付属品を揃える。一度に揃えようとするとなかなか出来ないが、少しずつ出来る範囲で準備すればよいのである。
質問12 どのような墓がよいか
 石材店と相談しながら、広さに応じた墓石の大きさや石材を決める。また実際に墓地を回り実物大のイメージをつかんでおく。墓石のデザイン・付属品・墓石の文字・外枠など希望するものを伝える。見積りも出してもらおう。出来るだけ信用のおける石材店を選ぼう。お墓のタイプとしては、一般的な和式タイプ・横長の洋式タイプ・自然石・五輪塔などがある。
質問13 墓石デザインは必ず図面で確認
 墓石を決めるにあって必ず行いたいのが、コンピューターで作図された墓石図面の確認だ。現在では大部分の業者がコンピューターで作図した墓石・外柵図面の提供を行っている。
質問14 お墓に使われる石にはどんな種類があるの?
 最近、墓地でよく見かける石材としては御影石(みかげいし)といわれる花崗岩がある。この御影石は白御影と黒御影に大別することができ、どちらが好まれるかには地域差もある。御影石は風化しにくく硬質で耐圧力に優れている。
質問15 国内の有名石材
 国内で算出される有名石材には、国内産地としては稲田みかげ(茨城県)、小松石(神奈川県)、甲州みかげ(山梨県)、三州みかげ(愛知県)、庵治石(あじいし・香川県)、徳山みかげ(山口県)などがある。
質問16 大きな産地の中国福建省
 墓石の海外産地として知られているのは中国・韓国・インドなどだが、その中でも中国福建省は大きな墓石の産出加工産地として知られている。
質問17 お墓の向きはどっちがいいの
 仏壇や家など方角は、吉凶など大変気になるところだが、一般的には墓も家と同様に、東南の方角が風通しがよいとされているが、昨今、最良の場所を選べるほどの状況ではなく、御先祖様をお祀りするという心が問題であり、方角など気にすることはない。
質問18 お墓を建て替えたいが
 古くなったお墓は苔が生えたり欠けてしまった場合などは、御住職に相談しなるべく早い時期に新しく建て替えたいものだ。建て替えの際には、御住職に供養して頂きお骨はお墓が出来るまで、お寺に預かってもらう。ただし、お墓に埋葬されているお骨の区別がつかず、土に帰っている場合は、その土を小箱などに入れる。建立後、納骨・開眼供養を行う。
質問19 お墓を建立するまで遺骨はどうするの?
 まだお墓を建立していない場合は、自宅にお祀りするか、菩提寺に預かってもらう。もし預かってもらえない時は、自治体など公共の施設に聞いてみるとよい。
質問20 遠方に引っ越すのでお墓も移動させたい
 まず現在のお寺に了承を得て、回向をして頂き、「埋葬許可証」を頂く。それを新しい墓地に持参し埋葬する。お墓が古く、「埋葬許可証」が無い場合は、現在のお寺に埋葬されている証明書をもらい、新しい墓地の「受入証明書」をもらい、現在のお寺の所在の役所に行き、「改葬許可申請書」に記入し、提出する。その後、お寺と石材屋さんに連絡し日程を決める。運搬の際、破損の無いよう注意したい。移動の時は、遺骨は自分で直接新しい墓地に運び、充分な法要を営む。すでに遺骨が土に帰ってしまっている場合は、その土を持っていく。しかし、お墓の移動は出来るだけ避けたいものだ。
質問21 開眼供養について
 新しいお墓を建立した時は、御住職にお願いして、都合のよい日に魂入れ(開眼供養)をしていただく。まず本堂で法要を勤め、その後、墓前で開眼供養を行う。持参する物としては、花・線香・新鮮な果物・菓子など。
質問22 納骨はいつ?
 すでにお墓を持っている場合は、葬儀後や七七日法要後などに納骨するのが一般的であるが、地域・季節などによって異なる。
質問23 墓参りの心得は?
 持参するものとしては、線香・ローソク・マッチ・供花・供物、その他にホウキ・タワシ・バケツ・雑巾など。まずお墓をきれいに掃除する。墓石に水を掛けタワシで洗い、文字の部分は歯ブラシなどで汚れを落とす。周囲の雑草や枯れ葉は取り除き、ホウキできれいに掃き清める。その後、供花・供物などを供え、線香を手向ける。墓参りは家族揃って行くようにしたい。そして、必ず供物は持ち帰り、おさがりとしてみんなで頂く。
質問24 長期間墓参りに行かれない
 海外転勤や入院した場合など、長期に渡って墓参りが出来ない時は、その旨を御住職に伝え、盆・暮れ・春秋の彼岸には丁重な手紙と供養料を送り、お願いするとよい。
質問25 墓石の側面に赤文字を見かけることがある
 生前にお墓を準備しておくこと(寿陵・じゅりょう)は縁起がいいとされ、出来る時に建立することがある。また戒名も頂き、お墓に刻字してもらう場合、生きている間は戒名の部分を赤文字にする。
質問26 お墓を守る人がいなくなった
 法律的には親戚でも他人でも遺言などで指定すれば、お墓(永代使用権)を継承する事は出来るが、子供がいないなど、お墓を建立しても継承していくのが困難になった場合、お寺に相談し共同の供養墓地に埋葬してもらう。お寺によっては、観音菩薩や地蔵菩薩などの像をお祀りし、供養している。
質問27 一つの墓石に二軒の名前を入れてお祀りしてもいいのか
 お墓は本来、子供が相続することとなるが、少子化が進む昨今、お墓を守るものがいないという心配から、両家墓といって二つの家の名前が刻まれたお墓があります。ただ両家の宗派の問題や寺院との関係など、問題は多いようだ。
質問28 代が替わった場合墓地の相続で注意すること
 お寺の墓地の場合は、お寺と檀家との信頼関係から、お寺への挨拶と連絡先を明確にしておけばよい場合が多いが、霊園の場合、代が替わったことにより、契約しなおさなければならないこともあり、契約更新の手続きで再び使用権を払わなければならない場合もある。
質問29 他宗の家に嫁いだ娘が実家の墓を継承できるのか
 地域や御住職の考えによって違うが、お寺への挨拶と連絡先を明確にしておくだけの場合から、檀家でないとお墓を継承できない場合もあり、お寺に確認が必要だ。
質問30 お墓参りの時にも珠数は必要か
 珠数は信仰のシンボルであり、自分の煩悩を滅するためのもの。また御先祖様を偲ぶ気持ちの現れといえる。
質問31 卒塔婆は何のためにあるのか
 釈尊の遺骨を納めた「ストゥーパ」の音写である。お墓に立てる卒塔婆は、空・風・火・水・地という宇宙の五大要素を表す五輪塔をかたどったもので、亡くなった方への供養としてあげるものである。しかしあくまでも遺族の自由意思であり、また宗派によって卒塔婆のあげかたも違うので、お寺に尋ねるとよい。
質問32 真宗では卒塔婆を立てないのか
 一般的には、亡くなった方への供養としてあげるものであるが、真宗では阿弥陀仏の本願により、すでに浄土に導かれているので、供養する必要はない。
質問33 古い塔婆がたくさんあるのでなんとかしたい
 塔婆は亡くなった方への供養としてあげるものであり、心がこもっているもの。しかし、塔婆立てには限度があり、また汚れて見苦しい場合には、お寺や霊園の指示に従い処分してもらおう。
質問34 墓地内に古い墓石が何基もある
 先祖代々続いたお墓には供養石塔が数基建立されている事があるが、それら供養石塔を整理する場合には、総供養塔を建立するとよい。
質問35 お墓に水を掛けるのはなぜ
 墓参りの時には必ずといってよいほど、水桶から柄杓で水をお墓に掛ける光景を目にするが、これはお墓の汚れを落とし、清めるという意味があるが、また仏教的な意味として、餓鬼に水を施し与えること。また沐浴を表すということなど、いくつかの考え方がある。
質問36 お墓によっては「南無阿弥陀仏」と刻まれている
 真宗の場合、墓は先祖の霊を祀るところではなく、仏法に接するということから「南無阿弥陀仏」の名号や、先祖が仏と共に浄土にあることを表す「倶会一処」の文字を墓石に刻む。
質問37 お墓の文字は自分の字を使いたい
 お墓に刻む文字については、特に決まりはない。「○○家之墓」「南無阿弥陀仏」「先祖累代之墓」「南無妙法蓮華経」など、また「心」「和」「魂」などは洋式タイプに多く見られます。自分で書いた文字や御住職に書いて頂いた文字を実物大にして、石材屋さんに渡せばその文字で刻字してくれる。
質問38 次男・三男夫婦も本家のお墓に入れるのか
 昔は大家族で、使用人まで入っていることが多かった。近年核家族化し、分家して独自のお墓を建立するケースがほとんどだが、本家のお墓にはいることに不都合はないが、ただ三代・四代となった場合トラブルが起きる可能性があるので、慎重に検討する必要がある。
質問39 墓地内にお地蔵様?
 お地蔵様は、愛児を亡くした親にとって、頼れる唯一の仏様として信仰を集めている。亡き子供の冥福を祈り供養する、またお地蔵様を建立し、お祀りすることにより安心立命をはかる。
質問40 カロートの中に骨壺がいっぱい
 現在では、納骨する場合、骨壺のままカロート(墓石の下にある遺骨の安置室)に埋葬することが多い。しかし、古い骨壺でカロートの中がいっぱいになってしまった場合は、古いものから、カロートの底の土を掘りお骨を埋葬していく。
質問41 ロッカー式の墓ってどうなの?
 墓地やお墓の購入は負担が大きく、管理も大変なため、近年納骨堂タイプのお墓の需要が増えてきている。ロッカー式のものや仏壇式のものなどがあり、使用料の安さ、屋内なので管理しやすいなど注目を集めている。